【撤退解説】眼科の「あの機械」の正体は?眼圧計の重要性と知っておきたい検査機器の役割ガイド2026.03.11 ブログ

眼科では、さまざまな機械を使用して検査が行われています。
目に空気を当てる機器、目の奥を撮影するカメラなど、初めての人には「これは何を調べているのだろう」と疑問に思う検査もあるかもしれません。
こうした検査機器は、単に視力を測定するためのものだけではありません。角膜の状態から網膜や視神経まで、目のさまざまな部分を細かく調べ、見た目ではわからない状態を確認するために使用しているのです。
この記事では、眼科で使われる代表的な検査機器の必要性や働きを紹介します。
なぜ眼科にはたくさんの検査機器があるのか?
眼科を受診すると、さまざまな機器を使った検査が行われることに驚く人も多いでしょう。視力検査だけで終わると思っていたのに、いくつもの機器で測定や撮影を行うことを、不思議に感じたかもしれません。
その理由は、目という器官の構造にあります。目は「むき出しの脳」とも呼ばれるほど繊細な器官で、外から観察できる神経組織のひとつといわれています。目は外側から角膜、水晶体、硝子体、奥にある網膜や視神経へとつながっています。この構造は非常に精密で、わずかな変化でも見え方や目の健康状態に影響を及ぼします。そのため、眼科では角膜の状態から網膜・神経の状態までミリ単位で確認できる検査機器が必要になるのです。こうした検査機器は、それぞれ異なる角度から目の状態を調べる役割を持っており、複数の検査結果を総合的に判断することで、目の健康状態をより正確に把握できるようになります。
また視力が良いからといって目に問題がないとは限りません。視力が1.0以上あっても、自覚症状があらわれずに病気が隠れて進行しているケースもあります。自覚症状があらわれる前に異常を見つけることが、検査機器の重要な役割です。見え方だけでは判断できない病気を早い段階で見つけるために、さまざまな検査機器が利用されています。
【最重要】みんなが気になる「眼圧計」の役割と必要性
眼科で目に空気を当てる検査を受けたことがある人は多いはずです。この検査は、目に触れることなく眼圧を測定するための行われる検査で、「ノンコンタクトトノメーター」という機器が使われます。
眼圧とは、目の内部にかかっている圧力のことです。ノンコンタクトトノメーターは、角膜に短い空気を当てることで、そのときの角膜の凹み方をセンサーで読み取ります。角膜が押し戻される程度を分析することで、目の中にかかっている圧力を調べるのです。短時間で眼圧を測定できるうえに、角膜に触れないため衛生面も安全面も高い検査といえます。
この検査が重要視される理由は、眼圧が高くなると目の病気につながる可能性があるからです。特に眼圧が高い状態が続くと、視神経が圧迫され緑内障という病気の発症に関係すると考えられています。緑内障とは、視神経に異常が起こり、視野が狭くなってしまう病気です。治療をせずに放っておくと、失明してしまう可能性もあります。しかし、早期発見・早期治療をすれば、進行を抑えられ生涯視野と視力を保ち生活することも可能です。さらに緑内障は末期まで自覚症状がほとんどないケースもあるため、定期的に眼圧検査を受け早期発見することが重要になります。
眼圧検査は、突然空気が目に当たるため、驚く人も多いですが、痛みを感じることはほとんどありません。検査の際は目を強く閉じたり体に力を入れたりすると、眼圧が正確に測定できないこともあるので、リラックスして検査を受けるようにしてください。
【基本編】視力の土台を調べる機器

眼科の検査では、目の屈折状態や視力の基礎的なバランスも確認します。こうした検査は、眼鏡やコンタクトレンズの度数を決めるうえでも重要です。ここでは、視力の土台を調べる機器を紹介します。
オートレフラクトメーター(気球や家を見る機械)
気球や家のイラストをのぞき込む検査で使用されている機械は、オートレフラクトメーターと呼ばれています。赤外線を利用して目の屈折状態を測定し、近視や遠視、乱視の度数を調べます。多くの眼科で視力検査として実施されている検査のひとつです。
人の目は、水晶体や角膜の働きによって、網膜上に像を映し出します。しかし、水晶体や角膜の異常で屈折が乱れると焦点が合わなくなり、ぼやけた見え方になります。オートレフラクトメーターはこの屈折の状態を数値化し、視力検査や矯正度数の判断の基礎データとして役立てています。測定された数値は、その後に行う視力検査やレンズ度数の調整を行う際のデータとして用いられます。
視力検査台(「C」の字を答える機械)
視力検査台は、ランドルト環と呼ばれる「C」の形をした記号を使う視力検査です。視力検査では欠かせない検査で、学校の視力検査でも行われているため、多くの方が一度は受けたことがあるでしょう。眼科では、より細かい段階で測定し、正確な視力を調べます。
この検査では、患者がどの程度の大きさまで識別できるのかを段階的に調べ、最適な眼鏡やコンタクトレンズの度数を決定するうえで、重要な役割を担っています。また、左右の見え方の差や矯正したときに、どこまで視力が改善しているかを確認する際にも利用されています。
【診察・精密編】目の奥まで見逃さないハイテク機器

目の健康状態を正確に調べるためには、外側だけでなく内部の構造まで詳しく検査する必要があります。眼科では、眼科医の診察の際に利用するデータを得るために、精密機器を使い、目の奥に潜む異常を見逃さないような検査が行われています。
スリットランプ(細隙灯顕微鏡)
スリットランプは、細い光を目に当てながら拡大観察する顕微鏡型の装置です。眼科医は、この機械を使い、角膜や結膜、水晶体など、目の前方にある組織の状態を確認します。
光を細くすることで、目の組織を断面のように立体的に観察できます。表面だけでなく奥行まで確認できるため、角膜の傷や炎症、水晶体の濁りなども確認しやすくなります。
そのため、白内障や角膜疾患、結膜炎などさまざまな目のトラブルの診断に広く利用されています。また、拡大された視野で細かな変化まで確認できるため、わずかな異常の早期発見にも役立つ機器です。
眼底カメラ
眼底カメラは、目の奥にある網膜などの組織を撮影するための装置です。網膜は、血管が豊富で、切開せずに血管を確認できる組織です。緑内障や網膜剥離、加齢黄斑変性などの病気の発見や進行状況の把握に役立ちます。
また網膜の血管は、全身の血管の状態を反映することがあるため、網膜の病気だけでなく、動脈硬化や高血圧、糖尿病などの兆候が見つかることがあります。撮影した画像は、保存されるため定期的に撮影しておくことで、現在の網膜や血管の状態と過去の状態と比較し、わずかな変化も確認できます。
検査をスムーズに受けるための「心得」

眼科の検査は機械の種類が多く、戸惑う方もいるかもしれません。しかし、以下のポイントを意識するだけでスムーズに検査を受けられるようになります。
・過度な緊張をしない:たとえば眼圧測定の際に、緊張し過ぎて目を強く閉じてしまうと、眼圧が正しく測定しにくくなります。その結果、測定をやり直すことになってしまうケースがあるため、できるだけリラックスして機械の指示に従うことが大切です。
・頭をあまり動かさない:多くの検査ではあご台にあごを乗せ、額当てに額を軽くつけた状態で検査を受けます。顔の位置が前後に動いたり、体が傾いたりしてしまうと、機械が正しい位置を読み取れず測定が止まることがあります。スタッフが位置を調整する場合もあるため、体の力を抜いて姿勢を保つようにすると、検査がスムーズに進みます。
・まばたきを我慢する必要はない:スタッフから指示がない検査では、目の検査をしているからといってまばたきを我慢する必要はありません。まばたきを我慢して目が乾いた状態になってしまうと、視界がぼやけることがあり、正しい測定結果が出にくくなってしまうケースがあります。普段通りまばたきを意識せずに検査を受けてください。
・指示に従う:検査の中には遠くの目標物を見続けたり、機械の中の光や図形を見つめたりするものもあります。指示された目標から視線がずれてしまうと、正確な測定が難しくなるため、指示された目標をできるだけまっすぐに見ることが大切です。わからないことがあれば、その場で遠慮せずにスタッフに確認しましょう。
・目の状態を調べる検査だと意識する:目の検査は、見えるかを調べるのではなく、現在の目の状態を調べるために行います。そのため、勘で答えて当たっていても意味がありません。それどころか正確な測定ができなくなってしまいます。そのため、見えないときは勘で答えるのではなく「見えません」と伝えることが大切です。目の状態を調べるための検査であるという意識を持つことが、正確な結果を得ることにつながります。
まとめ:検査機器は「あなたの視界」を守る味方
眼科で使用される検査機器は、それぞれが異なる役割を持ちながら目の状態を調べるために使用されています。さまざまな角度から目の状態を調べることで、目にあらわれる異常を早い段階で発見できることもあります。
また眼科医は、検査結果をもとに診断や診療方針を決定するため、検査機器によって得られた精密なデータが適切な治療への最短距離になっているのです。
監修者
武長眼科 院長
2001年5月15日に、小田急相模原、東海大附属相模中学・高校の正門前に開業し、
眼科の一般診療(含コンタクト)を行っております。
地元の皆様の「眼の健康」をお守りするお手伝いを、と思っています。
私たちは地域の方々の健康を最優先に考え、地域医療に貢献するため日々診療を行っております。
【資格】日本眼科学会専門医
【所属学会】日本眼科学会







