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遠近両用コンタクトレンズを眼科での検査・処方の流れや眼科選びのポイントを解説2025.08.14 ブログ

遠近両用コンタクトレンズを眼科での検査・処方の流れや眼科選びのポイントを解説

40代以降「手元が見えにくい」と老眼を自覚する方が増えてきます。老眼は、加齢が原因で目の調整力が低下した状態であるため、進行に個人差はありますが避けることはできません。

老眼で不便に感じることが多くなった方に注目されているのが、遠近両用コンタクトレンズです。老眼や近視、遠視を1枚のコンタクトレンズで補正できるため便利ですが、度数やデザインの選び方を間違えると、遠くや近くの見え方に違和感が生じることもあるため、眼科でしっかり検査を受けてから処方してもらうことが重要です。

このブログでは、眼科で遠近両用コンタクトレンズを選ぶ際の検査や処方の流れや遠近両用コンタクトレンズのメリット・デメリット、眼科選びのポイントなどを、初めての方にもわかりやすく解説します。

遠近両用コンタクトレンズとは?老眼や遠視・近視にも有効な画期的レンズ

遠近両用コンタクトレンズは、遠くを見るための度数と近くを見るための度数が配置されています。そのため、老眼や遠視、近視の人も使えるコンタクトレンズです。遠近両用コンタクトレンズにもソフトコンタクトとハードコンタクトがあり、目の状態や用途、装用感によって選択します。さらに、老眼や遠視、近視、乱視の補正を同時に行える乱視用遠近両用コンタクトレンズもあります。

レンズの配置

遠近両用コンタクトレンズは、1枚のコンタクトレンズに多くの度数が配置されています。主な配置方式は以下の通りです。

同心円型:中央に遠くを見るための度数、外側に近くを見るための度数が配置されているタイプです。

累進型:レンズ中央から外側にかけて、遠くを見るための度数から近くを見るための度数へと少しずつ変化しているタイプです。

分割型:コンタクトレンズの下方に近くを見るための度数、上方に遠くを見るための度数が配置されているタイプです。

遠近両用コンタクトレンズが見える仕組み

遠近両用コンタクトレンズは、1枚のレンズに遠くを見るための度数と近くを見るための度数が配置されています。そのため、遠くのものと近くのものが同時に網膜上に映し出されるのです。これを同時視といいます。

最初は、両方のものが重なって少しぼやけて見えることがありますが、脳が状況に応じてピントが合っている方だけを優先的に認識するようになるため、数日~数週間後にはものがぼやけて見えないようになります

順応をスムーズに進めるには、遠近両用コンタクトレンズを最初から長時間装用するのではなく、短時間から始めて少しずつ装用時間を延ばしていくのが効果的です。また、近くのもの、遠くのもの、その中間にあるものといったさまざまな距離にあるものを見る練習を繰り返すことで、脳が焦点の切り替えに慣れて、より自然にものが見えるようになります。

近くも遠くも自然な視界を実現!遠近両用レンズのメリット・デメリットを徹底比較

遠近両用コンタクトレンズにはさまざまなメリットがありますが、デメリットもあります。メリットとデメリットをよく理解してから、遠近両用コンタクトレンズを使うかどうか決めることが大切です。

ここでは、遠近両用コンタクトレンズのメリット・デメリットを紹介します。

遠近両用レンズのメリット

  • 眼鏡の掛け外しが不要:遠近両用コンタクトレンズは、近くのものを見るときも遠くのものを見るときも1枚のコンタクトレンズで済むため、眼鏡の掛け外しが不要です。これより、老眼と周囲に気づかれにくく、外出の際に眼鏡を携帯する煩わしさもありません。
  • 自然な見え方:順応すれば遠くから近くまでスムーズにピントが切り替わるようになるため、裸眼に近い自然な見え方ができるようになります。特に眼鏡のようなフレームの視界制限がないためこれまで眼鏡をかけていた人は、視界が広くなったと感じられるようになるでしょう。
  • 見た目やスポーツ時の便利さ:遠近両用コンタクトレンズを装用しても、眼鏡とは異なり他の人からの印象が変わることはありません。さらに、化粧やファッションの自由度が広がることもメリットのひとつです。

また、スポーツ時に眼鏡のようにレンズが曇ったりずれたりする心配もないため、スポーツをする習慣がある人にとっては大きなメリットとなります。

遠近両用レンズのデメリット

  • 順応までに時間がかかる:遠近両用コンタクトレンズは、複数の焦点を持つため、脳がピントの合っているものを優先的に選択できるようになるまでに、数日~数週間かかることがあります。遠くを見るための度数と近くを見るための度数の差(加入度数)が小さいほど順応までに早いといわれているので、遠近両用コンタクトレンズは、初期の老眼のうちに使うことがおすすめです。
  • 視界や暗く感じることがある:遠近両用コンタクトレンズは、暗い場所でコントラストが低下し、光が見えづらく感じることがあります。そのため、遠近両用コンタクトレンズを装用して夜に運転する場合は、注意が必要です。
  • 費用が比較的高め:遠近両用コンタクトレンズは、単焦点コンタクトレンズに比べると、費用が高めです。さらに、高性能なものほど費用が高い傾向があります。継続して使用できるように、経済状況に合ったものを選びましょう。

眼科での遠近両用コンタクト検査・診療の流れと必要な事前準備

遠近両用コンタクトレンズは、高度管理医療機器のため眼科で検査を受け処方してもらわなければなりません。ここでは眼科で遠近両用コンタクトレンズの処方前に受ける検査・診療の流れ、必要な事前準備について解説します。

検査・診察の流れ

  1. 問診:コンタクトレンズの使用年数や装用期間、目の不調の有無、生活スタイルなどを問診表に記入します。
  2. 視力検査:目の状態を確認するために、視力検査や屈折検査、眼圧検査などを行います。検査は目についての専門的な知識や検査技術を持っている視能訓練士もしくは医師が行います。
  3. 遠心療養コンタクトレンズのフィッティング:遠近両用コンタクトレンズを装用し、レンズの位置や動きを観察し、見え方や装用感などを確認します。問題がある場合は、レンズの種類や度数の見直しが検討されます。
  4. 診察:検査結果に基づき医師が診察し、目の状態や異常の有無、遠近両用コンタクトレンズの適合状態を確認します。疑問や不安なことがあったら、医師に相談しましょう。
  5. 装用方法・ケア方法の指導:遠近両用コンタクトレンズの装用方法やケア方法の指導を受けたあと、処方箋が発行されます。

必要な事前準

眼科に遠近両用コンタクトレンズの処方を受ける前に必要な事前準備は以下の通りです。

眼鏡やコンタクトレンズの度数の確認:眼科では遠近両用コンタクトレンズを処方するために検査を行いますが、これまで使っていた眼鏡やコンタクトレンズがある方は、度数を把握しておくと医師が現在の視力補正の状態を正確に判断しやすくなります。

また、今の眼鏡やコンタクトレンズで見づらい距離やものをまとめておいて伝えることで、より適切な度数調整が可能になります。

目を休めるために前日は十分な睡眠をとる:検査当日に、目が疲れ充血していたりすると、正確な度数や装用感を確認できない可能性があります。特に目が乾燥していると、装用時の違和感が強くなってしまうのです。そのため、前日は睡眠を十分とり、目が疲れてない状態で検査を受けましょう。正確な検査結果が得られれば、より適切な遠近両用コンタクトレンズの処方を受けられます。

使用目的を整理しておく:遠近両用コンタクトレンズは、どの距離を見るために使用するかによって、度数設定やレンズの種類が変わります。例えば、デスクワークでパソコンを使用するときに使う、読書のときに使う、車の運転のときに使うなど使用目的を整理しておいて伝えましょう。そうすることで、自分に合った遠近両用コンタクトレンズ設計を提案してもらいやすくなります。

遠近両用コンタクトレンズの選び方から処方、眼科診療のまとめ

遠近両用コンタクトレンズを選ぶ際の検査や処方の流れや遠近両用コンタクトレンズのメリット・デメリット、眼科選びのポイントなどを紹介しました。

遠近両用コンタクトレンズは、1枚のレンズに遠くを見るための度数と近くを見るための度数が配置されているため、老眼や遠視、近視にも有効なコンタクトレンズです。しかし、単焦点レンズに比べると度数調整が繊細で難しいため、知識や経験が豊富な眼科医院で検査・処方を受ける必要があります。

武長眼科では遠近両用コンタクトレンズの処方も行っております。充実した日常生活を送るためにも、近くが見えにくくなってきたことを自覚したらお早目にHPサイトよりご予約ください。

院長の写真

監修者

武長眼科 院長

武長 実(たけなが みのる)

2001年5月15日に、小田急相模原、東海大附属相模中学・高校の正門前に開業し、
眼科の一般診療(含コンタクト)を行っております。
地元の皆様の「眼の健康」をお守りするお手伝いを、と思っています。
私たちは地域の方々の健康を最優先に考え、地域医療に貢献するため日々診療を行っております。

【資格】日本眼科学会専門医

【所属学会】日本眼科学会

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